第11章

田中友里子も加藤柚奈も反応する間もなく、田中尚哉は大島莉理を抱きかかえ、風のように駆け出していった。

加藤柚奈は顔面を青くする。

「伯母さん……莉理さん、どうして血が……?」

田中友里子の頭の中はぐちゃぐちゃだった。

「私に聞かれても……」

――子どもはできないんじゃなかったの?

どう見ても、流産みたいじゃない……!

「病院に行きましょ!」

駆けつけたときには、すでに大島莉理は手術室へ運ばれたあとだった。廊下には、全身血まみれの田中尚哉が立ち尽くしている。

田中友里子は声が震えた。

「どういうことなの……?」

「……分からない」

田中尚哉の両手が小刻みに震えていた。病...

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